10月8日(土)に浜松市元城小学校を中心会場として、平成28年度浜松商工会議所青年部全体事業の「はままつ未来プロジェクト ~ものづくりの街浜松で働きたくなる日~」が開催されました。
今年度の全体事業は、「小学生ものづくり職業体験」「はままつ高校生ビジネスアイディアコンテスト」の2部構成で開催されました。
このブログではそれぞれの事業を順番にご紹介します。まず(その1)「小学生ものづくり職業体験」の様子を紹介します。
浜松商工会議所青年部の数ある事業の中で、一般の皆様と交流し、楽しみ、成長させていただける大切な事業です。事業委員会を中心に浜松YEGメンバー全員で約半年間にわたって作り込みや準備を行ってきました。
開会式の様子
(浜松商工会議所青年部 伊藤友輔会長)
(浜松市 市長 鈴木康友 様)
(浜松商工会議所 副会頭 岡部比呂男 様)
(浜松商工会議所青年部 大久保貴通委員長)
「小学生ものづくり職業体験」は、浜松市内の小学校4~6年生が参加し、A~E班の5コースに分かれ、それぞれ3か所の事業所をバスに乗って訪問して、「ものづくり職業体験」を行いました。
(出発を待ち切れない小学生たち)
Aコース)ミライファクトリー → ぬくもり工房 → 丸八製造
【有限会社ぬくもり工房】
三河、泉州とならび、綿の三大産地として栄えてきた遠州地方の遠州綿紬。子供たちはこの伝統ある織物を使って『栞(しおり)づくり』と『巾着袋づくり』を体験しました。『栞(しおり)づくり』では自分の好きな生地に様々な形の紙を挟み込み、ラミネート加工しました。『巾着袋づくり』では、白い生地の上に自分たちの好きな絵を描きオリジナルの巾着袋を作りました。子供たちは個性あふれるオリジナル作品を作ることで、ものづくりの楽しさを体験することができました。
【株式会社丸八製造】
株式会社丸八製造では、『羊毛→マット製造→検査』の工程を見学しました。実際に自分たちが使用している寝具がどのようにしてできるのか?また、普段何気なく使っていても、実は防臭・抗菌効果、人の体に合わせた硬さの調整を行っている説明を聞き驚いていました。工場見学の後、4~6年生混合チームに分かれ寝具リレー(活性炭腰つぼ入れ)を行い、白熱した競争の中にも上級生が下級生を気遣う姿もみられました。
Bコース) 鳥居食品・加藤醤油 → ミライファクトリー → 雪山シボリ
元城小学校を出発し、最初の体験先は「鳥居食品株式会社」と「有限会社加藤醤油」の二手に分かれての体験となりました。
【鳥居食品株式会社】
100年以上使っている木の樽桶を目の前に、「ソースができるまでの工程」や「ソースの種類」のお話を聞きました。その後『自分好みのソース作り』を体験。基本のウスターソースから中濃ソース、果物が多く入った甘めのソース、ハバネロが入った辛いソースなどを、好みの割合で混ぜてオリジナルソースを完成。お父さん用に辛めのソースにする子供も沢山いました。さらに、自分の写真入りラベルを貼って完成。世界に1本だけのソースが完成し、参加した子供達も大喜びでした。
【有限会社加藤醤油】
日本で唯一、麹づくりから熟成、圧搾、ビン詰めまで全てを手作業で行っている有限会社加藤醤油では、虎岩社長様から醤油の製造工程の説明をしていただきながら工場見学を行いました。
子供たちは地元の素材を使って作られている醤油があること、そして樽の中を1日1回、ゆっくりとかき混ぜるという工程を半年、また1年と行って美味しい「生醤油」が出来る事を知りました。
最後に、瓶に貼るオリジナルラベルを、子供達みんな、活き活きした顔で作成し、オリジナル「生醤油」の出来上がりです。お土産に持って帰れると大喜びでした!
【有限会社雪山シボリ】
有限会社雪山シボリは、管楽器に取り付ける「ミュート」を作ることで、楽器業界では世界的に有名な会社です。外国製の製品と比べて、音の響きに奥行きが出て綺麗な音色が出るそのミュートは一つ一つ手作業で作られています。
子供たちは、力加減が難しい「へら絞り」の作業を雪山社長に手伝ってもらいながら体験。アルミの円い板を筒状に伸ばし「小さなバケツ」を作成しました。大人でも難しい「へら絞り」の技術を、子供たちも楽しく体験することができました。
Cコース) 古橋織布 → 浜名湖頭脳センター → ミライファクトリー
【古橋織布有限会社 】
創業88年、伝統を守りながら昔ながらの質の良い布を作り、時代の変化と共に機械を改良しながら今のニーズにあった布を研究開発している会社です。子供たちは2人ペアになって手作 り織機を使用した『コースタ ーづくり』を体験 しました。2人の間にある縦糸に横糸を通しながら布を織りなす作業はコツをつかむまでは悪戦苦闘している子供たちが多かったけれど、最後はみんな上手に完成させることが出来ました。その後は、実際の織機による実演を見学し、自ら体験した織物の仕組みがどのように生地になっていくのかを学びました。
【浜名湖頭脳センター】
浜名湖頭脳センターでは、『株式会社TRINC 』の静電気の仕組みを勉強し、イオンを利用した静電気除去の体験を行いました。静電気を発生させてドアノブに触れる事で静電気を実感した後に、体にイオンを浴びてからドアノブに触れると静電気が発生しないという目に見えない不思議な体験をしました。
『有限会社マンドリンエレクトロン』はテルミン、マトリョミンという楽器を製造販売するメーカーで、製造工程や音の出し方を学び、子供たちから代表者1名が演奏を行うなど貴重な体験をしました。
Dコース) 昭和楽器 → ミライファクトリー → ピアックス
【昭和楽器製造株式会社】
昭和22年に創業したハーモニカメーカーで、昭和30年来には著名なハーモニカ奏者・宮田東峰氏率いる「ミヤタバンド」の専属工場として全国的に有名になりました。今回は、珍しい『スケルトンタイプのハーモニカも組み立て体験』を行いました。子供たちは、酢山社長から「仕事の時は緊張感をもってやるように」と教えてもらいながら、ハーモニカの組み立てをしたり、ハーモニカの拭き方を教えてもらいました。
【株式会社ピアックス】
株式会社ピアックスは、ピアノの塗装加工からスタートして創業50年。現在は、特注家具、インテリア・パネル、システムキッチンなどをはじめ、1点もの、限定品を中心とした鏡面塗装の受注加工を行っている会社です。ここでは、2グループに分かれて鏡面塗装の『ペン立てづくり』を体験しました。
子供たちはペン立ての表面を一生懸命に磨き、ツルツルになったのを見て喜んでいました。質問をした子に鏡面塗装のプレートをプレゼント。もらった子は大事そうに持っていました。
Eコース) ミライファクトリー → 三創楽器製作所 → 豊岡クラフト
【株式会社三創楽器製作所】
楽器の街・浜松で40年近く、チェンバロやリュート等の古典楽器を製作する工房です。子どもたちはまず、古典楽器にとって重要な木材の説明を受けました。工房で3年以上も寝かされた木材は、湿気を吸ったり吐いたり十分に呼吸をした後に加工されます。こうしたひと手間を加え、木材を育てることで、よい音が響く楽器が完成することを学びました。初めて見る・聞く・触れる古典楽器のお話にみんな興味深々です。ピアノを習っている子が代表してチェンバロを弾きました。この後は、みんなで一弦琴づくり♪
【有限会社豊岡クラフト】
金具を使用しない「組木」と「削り」「磨き」の技術でミリ単位の加工により、機械では難しい”ぬくもり”と高級感あふれる木工製品を製造する匠の会社。
木製の書見台、万年筆入れ、回転式ペン立てや整理箱等の高級ステーショナリー、腕時計収納ケースやジュエリーボックス、ミラー等のインテリア品や小型家具を、自社開発・製造し百貨店等に卸しています。
子供たちは、職員さんの案内を受けて、工場を一回りし、一枚の木材がそれぞの行程を経て、製品となる様子を観察しまた。体験では木製のペンケースをつくりました。丁寧にペーパがけし、オイル塗装して完成です。三創楽器さんに引き続き2回目のペーパがけ、みんな前回よりも手際よくできました。
A~Eコース 共通行程
【ミライファクトリー】
「自分の手で未来を作り出す場所」というコンセプトの浜松市中区西浅田にある「ミライファクトリー」では、青年部の現役会員企業による「ものづくり体験」が6コース用意され、その中から子供たち1人1つずつを抽選で選んで体験しました。
「木工フレーム作り」
~(株)カネキチ/オカムラ建装(株)/(株)タカソウ/(株)杉浦建築店~
フォトフレーム作りでは、作業前緊張していた子供たちは担当スタッフの寸劇でリラックスできました。木の枠を貼りつけるところから手作りで、慣れない作業に黙々と取り組んでいました。完成後の梱包では箱にプレゼントする人のことを思い浮かべながら絵やメッセージで飾りつけをしていました。最高のプレゼントになりました。
「鉄製ペン立て作り」
~(有)スズヒロ製作/(株)坂下製作所/オカムラ建装(株)/ナイトー工業(株)~
鉄製のペン立てをドライバーを使って1人1人が組み立てました。仕上げに、ナイトー工業株式会社の内藤社長が子供たちの目の前で、鉄製のペン立てを溶接してくれました。迫力ある溶接作業を子供達は真剣なまなざしで見入っていました。
「ビンジャム詰め作り」
~カフェパセレッティ/菓子工房ほほえみ/山口屋寿司店~
「ジャム作り」 菓子工房ほほえみの伊熊様が、実際に会場でジャムを作る工程を見学。甘い香りの中、子供達が鍋を囲み出来たてのジャムを瓶につめる体験をしました。
「プラキーホルダー作り」
~(有)天竜堂/(株)スプラウト~
縦 2、横 5、厚さ 0.5 センチほどの小さなプラスチック板をもらってキーホルダーをつくりました。実はこれ、眼鏡フレームの廃材なんだって。派手なもの、シックなもの等色々ありましたが、好みの柄を選んで丁寧にペーパーをかけました。はじめてヤスリを使う子は、コツをつかむまでちょっと時間がかかったかな。おじさんに補助をお願いしながら、電動ドリルを自分で使って穴をあけました。皮紐を通して世界に一つだけのオリジナルキーホルダーが完成です。
「革製ポケットティッシュケース作り」
~平野ビニール工業(株)/(株)スプラウト~
「革製小物入れ作り」
~平野ビニール工業(株)/(株)スプラウト~
革製の小物入れ・ポケットティッシュケース作りを、スプラウトの職人さんに指導してもらって、業務用のミシンを使い作成しました。最初は「小物入れ作りよりジャム作りが良い」って言ってた男の子も、合皮を縫い合わせて形が出来上がるにつれ、真剣な表情に変わっていきました。完成して満足そうなみんなの顔が印象的でした。
以上が、「はままつ小学生職業体験」のご報告でした。